英銀スタンダードチャータードのビル・ウィンターズ最高経営責任者(CEO)は、同行のシニアバンカーにオフィス勤務を強制する必要性は今も感じないと述べた。従業員のリモート勤務に厳しい姿勢を強めている他行とは一線を画した。

「われわれは大人と働いている」とウィンターズ氏は31日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで話した。「大人同士で、大人ならではの話し合いが行われ、そこでチームを運営する最善の方法が決まる」と述べた。

ウィンターズ氏は勤務体制に関して柔軟な姿勢を維持している。一方で同業のHSBCホールディングスや、ウィンターズ氏の古巣である米JPモルガン・チェースは、コロナ禍に普及した在宅と出社を組み合わせるハイブリッドな就労慣行を見直している。

動画:スタンダードチャータードのビル・ウィンターズ最高経営責任者(CEO)

JPモルガンは1月、全ての従業員に週5日の出社を命じた。

スタンダードチャータードのウィンターズ氏は「当行のマネジングディレクターらはオフィス出社を望んでいる」と語る。「協力し合い、メンバーを管理し、チームを率いたいからだ。しかし柔軟性が必要だというのなら、当行はそれを提供する」と述べた。

同行ではコロナ禍以降、従業員がそれぞれの出社予定を上司と決定することが許されており、全社員一律の出社命令は出ていない。

「何でも自由というわけではない」とウィンターズ氏は、メディアとの電話会議で述べた。「全ては従業員とそのリーダーとの合意で決まる」と補足した。

ウィンターズ氏によれば、スタンダードチャータードの出社率は地域によってばらつきがある。同行の離職率が比較的低いことについて、同氏は柔軟な就労方針が寄与していると述べた。

「同調圧力のために頻繁な出社が求められる地域もあれば、それほどではない地域もある」とウィンターズ氏。「従業員はオフィスに来たがっている」と述べた。

原題:StanChart CEO Resists Office Mandates: ‘We Work With Adults’(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.