(ブルームバーグ):東京エレクトロンは31日、今期(2026年3月期)の営業利益計画を前期比18%減の5700億円に下方修正し、減益計画とした。従来計画は7270億円で、市場予想(7190億円)も大きく下回る。半導体メーカーで設備投資計画の調整が見られることを踏まえた。
川本弘常務執行役員は会見で下方修正の理由について、一部の先端ロジック半導体メーカーの投資回復や、中国を含む成熟投資の動きも「思ったほどではなかった」と説明。期待していたパソコンやスマートフォンの買い替え需要も盛り上がっていないとした。
発表によると、今期の売上高計画も2兆3500億円(従来2兆6000億円)、純利益計画は4440億円(同5660億円)とそれぞれ引き下げた。同時に、年間配当予想も従来の618円から485円と減額した。前期実績は592円だった。
川本氏は人工知能(AI)サーバー向け投資をドライバーとする半導体需要拡大の流れ自体は全く変わっていないとして、今後も積極的な研究開発や設備投資を続ける姿勢を示した。一方で、来期(27年3月期)の売上高目標3兆円については、「今期数字が下がったことで時期が多少ずれることもあり得る」と述べた。
半導体市場はAI向け先端品の需要が旺盛な一方で、パワー半導体を含む成熟世代はEV需要の減速などで投資の調整局面が続く。幅広い製品群を手がける東エレクにとっても、右肩上がりの成長が見通しにくくなっている。
米トランプ政権の関税政策による影響については、現時点では半導体装置には関税はかかっていないほか、同社の米国向け売り上げは限定的だとし、今後「関税がかかったとしても大きな影響はない」と話した。
同時に発表した25年4-6月期の営業利益は前年同期比13%減の1446億円、売上高は同1%減の5495億円と減収減益だった。
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