(ブルームバーグ):トランプ米政権が23日に公表した「AI(人工知能)行動計画」について、ホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)のクラツィオス局長は、同盟国が米国製の重要なハードウエアやソフトウエアを入手しやすくすることで、米国のAI技術を世界標準にすることを目指すものだと述べた。
同氏は24日のブルームバーグテレビジョンのインタビューで「われわれは世界中が米国のAI技術インフラで動くようにしたい」と発言。「世界で選ばれるAIエコシステムとなるために、クラウドや半導体、アルゴリズムなど、米国の技術一式を輸出して世界に届ける必要がある」と語った。
米国内のAI開発強化を推進する同行動計画には規制緩和や許認可の迅速化、データセンターへのエネルギー供給拡大、AIの国際的な連携推進などが盛り込まれている。
トランプ大統領は23日、この計画の一部を実行に移すための大統領令3本に署名した。AIインフラに関連するエネルギー供給と許認可の問題への対処やAI輸出の促進のほか、政府が調達する大規模言語モデルを中立的で偏りのないものとするよう求める内容。
クラツィオス氏は、大統領令の1本は商務省に対し、AI業界や国務省と連携して、安全保障要件を満たす形で輸出向けAI製品パッケージを構築するよう求める内容だと説明。「われわれが輸出管理規制をクリアできると考えるパッケージはすでに整っている」と語った。
ホワイトハウスのAI担当上級政策顧問を務めるスリラム・クリシュナン氏は、別のブルームバーグテレビジョンのインタビューで、米政府がエヌビディアのAIアクセラレータ「H20」製品の対中輸出規制を緩和したことについて、米国が海外でより効果的に競争できるようにし、中国の華為技術(ファーウェイ)の世界的な影響力拡大を抑えるためのものだと説明した。
「H20に関して言えば、われわれとしてはファーウェイや他の企業の製品が使われるよりも、エヌビディアかAMDのGPUが選ばれることが望ましい」と語った。
原題:Trump’s AI Plan Seeks to Have US Set Global Standard, Aides Say(抜粋)
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