(ブルームバーグ):ロンドンのオフィス市場が持ち直しの動きを強めている。新規開発が限られている一方で需要は拡大しており、記録的な水準に達していた空室率は緩やかに低下し始めた。
不動産データ会社コスター・グループがまとめた取引指数によると、今年6月末時点のオフィス価格は1年前に比べ6%上昇。昨年7-12月(下期)に上昇基調へ転じて以降、改善が続いている。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)開始以後、4年余りにわたってほぼ一貫して上昇していた空室率は、約11%でピークを打った。

コスターの市場分析担当シニアディレクター、マーク・スタンスフィールド氏は「オフィスセクターに対する投資家のセンチメントが改善され、入居需要が強まっていることから、価格が引き続き上昇している」と指摘した。
需要ショックや建設コストの上昇、先行き不透明感などが重なり、デベロッパーは新規プロジェクトの着工を見送っている。良質な新築物件の供給が限られる中で、従業員のオフィス勤務再開に伴う需要増も加わり、一部の企業ではデスク不足を避けるため、より広いオフィスへの移転を検討している。

こうした動きは、オフィスを対象とした投資にも波及しつつある。コスターのデータによれば、利下げの影響もあり、4-6月期のオフィス価格は前期比で2%上昇した。ただし、低金利環境を背景に市場が活況だった21年7-9月(第3四半期)のピークに比べると、依然として16%低い水準にある。

原題:London Office Market Recovery Gathers Pace Due to Space Shortage(抜粋)
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