(ブルームバーグ):ロンドンを拠点とする為替ブローカー、アージェンテックス・グループが先週、事実上の経営破綻状態に陥った。4月に世界の市場を混乱させた米関税措置をかろうじて乗り越えたものの、英金融行動監視機構(FCA)の流動性要件を満たすことができなかった。
競合企業のIFX(UK)は21日、同社救済に向けた買収案の撤回を検討していると発表。IFXによる買収案とつなぎ融資が過去2カ月間にわたり、アージェンテックスの延命を支えていた。
アージェンテックスの破綻は、トランプ米大統領が4月に関税措置を発表したことを受けて世界の市場に広がったボラティリティー(変動性)を想起させる。だが、英規制当局による精査は、同社の問題の一端が国内にあることを示唆している。
アージェンテックスの広報担当者はコメントを控えた。FCA、IFXもコメントの依頼にすぐに応じなかった。
アージェンテックスは法人顧客による通貨変動リスクの管理を支援する目的で設立されたが、顧客から十分な担保を確保しないままドルに関する取引を積み上げるというリスクの高い戦略を採用していた。
その後、トランプ氏の関税措置を受けてドルが下落。ブルームバーグの報道によると、アージェンテックスはバークレイズやシティグループなどの銀行から返済を迫られ対応に苦慮したという。
原題:FX Broker Argentex Succumbs to Trump-Induced Trading Volatility(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.