米国最大の電力網運営会社PJMインターコネクションの管轄区域では、新設されるデータセンターに電力を供給する余力はなく、プロジェクト開発業者は発電設備を自前で建設する必要があると、PJMを監視する第三者機関が21日に指摘した。

第三者機関モニタリング・アナリティクスのプレジデント、ジョー・ボーリング氏は、「新たな需要に対応できる新たな供給能力が単純に存在しない」とインフォキャストのイベントで指摘。「データセンターを建設したいと考えている人々が、自前で発電設備を整備する覚悟があるかを確認すること」が求められるとした。

人工知能(AI)の進展に伴い、米国では数十年ぶりとなる電力需要拡大が起きており、異常気象への脆弱(ぜいじゃく)さが露呈している電力供給にさらなる負荷がかかっている。

PJMは米国内でデータセンターが最も集中している地域をカバーしており、逼迫(ひっぱく)した状態が1年余り続いている。

ボーリング氏は、データセンター側が新たな発電設備を導入し、その規模が電力需要とおおむね一致している場合、速やかに送電網に接続できるようPJMは迅速な審査プロセスを設けるべきだと主張した。

原題:Large US Grid Lacks Capacity for New Data Centers, Watchdog Says(抜粋)

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