(ブルームバーグ):6月の米住宅着工件数は、マイナスとなっていた前月から回復。集合住宅がけん引した。一方で一戸建て住宅は減少し、過剰在庫と値ごろ感の低さが引き続き重しとなっていることが示唆された。

アパートなど集合住宅の着工は30%増加した。前月は25.1%減少していた。一方、一戸建て住宅の着工件数は88万3000戸に減少し、2023年早期以来の低水準だった。
集合住宅の建設が活発さを増しているものの、全体的には住宅着工は停滞しており、約17年ぶり高水準にある在庫の圧縮を急ぐ建設業者が投資を抑制していることが示唆される。住宅ローン金利が7%付近で推移する中、中古住宅の売り出し件数も増加しており、建設業者はそうした物件との競合にも直面している。
建設業者は値下げやインセンティブの提供といった対応を進めているが、それが新規着工の意欲をそぐ要因にもなっている。
今回の統計により4-6月(第2四半期)のデータが全て出そろった形となり、住宅投資が国内総生産(GDP)を若干押し下げる可能性が高いことが示唆される。
パンテオン・マクロエコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、サミュエル・トムズ氏はリポートで、「今年後半に住宅建設がさらに落ち込めば、2025年の実質住宅投資は約1%の減少となる見通しで、昨年の4%増から大きく後退することになる」と記した。
地域別では、一戸建て住宅の着工件数は全4地域で減少したが、特に西部と南部という2大市場で落ち込みが目立った。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Housing Starts Rebounded in June on Apartment Construction(抜粋)
(統計の詳細を追加し、更新します)
--取材協力:Chris Middleton、Jarrell Dillard.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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