来週の円相場は下落が予想される。20日の参議院選挙の結果を受けて日本の財政拡大への懸念が強まり、円売り圧力が強まりそうだ。

◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト

  • 予想レンジは1ドル=145円-150円
  • 参院選の結果が一番重要。自民党と公明党の議席の過半数割れは市場で織り込んでいるものの、石破茂首相が辞任するような事態になると財政拡大への懸念が強まり、金利上昇、円売りとなるので150円に向けた動きになりやすい
  • 少数与党となっても石破政権が継続すると、円安地合いは一服するとみている
  • 日米の関税交渉の期限が近づいており、交渉の進展が期待される中、150円に近づいたり超えたりする局面になると、円安是正の思惑で日本銀行の利上げ期待が高まり、ドル・円の上値を抑制しそうだ
  • パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の解任に対する観測が強まればドル・円の重しになる

◎三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長

  • 予想レンジは1ドル=145円-151円
  • 参院選結果の初期反応として、与党の過半数割れで円金利上昇、円安加速
  • 石破首相はこのタイミングで辞任しないとみており、野党が結集して政権交代もなく、少数与党の継続がメインシナリオ。消費減税の話が出てくると財政悪化懸念で円資産売りが強まる
  • 与党が過半数を維持すると円資産の買い戻しの動きが強まる
  • 日銀の内田真一副総裁の講演は7月利上げがない見込みだが足元の状況を確認か。東京都区部消費者物価(CPI)の伸びは鈍化する見込みだが、インフレ継続は変わらず、円の支えになりそうだ

来週の主な予定

  • 22日:米パウエルFRB議長、会議冒頭のあいさつ
  • 23日:内田真一日銀副総裁が高知県金融経済懇談会で講演、会見
  • 23日:日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標
  • 24日:欧州中央銀行(ECB)政策金利発表、ラガルド総裁記者会見
  • 25日:7月の東京都区部CPI
  • 25日:6月の米耐久財受注

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