クラウドサービスを手掛ける米コアウィーブ株の弱気派が、空売りするコストが非常に高い銘柄をショート(売り持ち)するリスクを痛感している。

コアウィーブ株は11日、6月の最高値から約31%下落して取引を終了。S3パートナーズのデータによれば、ショートした投資家は約7億ドル(約1030億円)の含み益を得た。しかし、そのうち3分の1近くが、株の借り入れコストで相殺される見通しだ。

 

S3のデータによると、14日時点でコアウィーブ株を空売りするための貸株料率は、株価約133ドルの190%余りに達していた。貸株料は変動するものの、この1カ月間、コアウィーブの料率は100%を上回り続けており、他の銘柄に比べて大幅に高い。ショートの投資家に人気が高いテスラの貸株料率は0.3%にとどまる。

コアウィーブ株の貸株料率が高騰している要因の一つは、浮動株の少なさにある。現在、コアウィーブの浮動株比率は約13%で、S&P500種株価指数構成銘柄の平均(約95%)を大きく下回る。

ただ、こうした状況はまもなく変わる見込みだ。早期投資家による売却を制限していたロックアップ期間が来月から順次終了する。ロックアップ解除により、2億9000万株が売買可能となる見込みだ。現在売買可能な約4700万株から大幅増となる。

初期の投資家がロックアップ終了後すぐに売却を試みる可能性があり、その場合、コアウィーブ株にはさらなる下押し圧力が加わると考えられる。これは、年初来で約20億ドルの含み損を抱えつつも空売り投資家が高コストの取引を継続している理由の一つとみられる。

原題:CoreWeave Short Sellers See 30% of Profits Lost on Borrow Costs(抜粋)

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