米国はウクライナに兵器を追加供給し、ロシアが50日以内に停戦に合意しないなら100%の「2次関税」を導入すると、トランプ大統領が表明した。停戦要求を無視してウクライナでの攻撃を強化するロシアに、トランプ氏はいら立ちを強めている様子をあらわにした。

トランプ氏は14日、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長との会談で、50日以内にロシアがウクライナとの和平に同意しない場合には、米国は「2次的な」関税を賦課すると表明。トランプ氏は詳細を明らかにしなかったが、過去には敵性国と取引する諸国に賦課する関税の意味でこの言葉を使っている。

ラトニック米商務長官はこの後、トランプ氏が意味するのは広く知られる「2次制裁」のことかと記者団に問われ、制裁と関税は「どちらもトランプ氏の手段リストに入っている」と回答。「どちらも使用可能だ」と述べた。ホワイトハウスの当局者によれば、ロシアは9月上旬までの戦争停止の合意書に署名しない場合、両方の措置が講じられる可能性はある。

米国のウィテカーNATO大使は、今回の計画についてロシア産原油を購入する国々に対する事実上の2次制裁に当たるとの認識を示した。

同氏は記者団に対し「これは、インドや中国のようにロシアの原油を購入している国々への関税のことだ」と述べ、「ロシア経済に非常に大きな影響を与えるだろう」と話した。

米上院の超党派グループが準備する対ロシア制裁強化法案では、ロシア産の石油やガスを購入する国々に500%の関税を課す構想が打ち出されている。

ウクライナへの軍事支援についてトランプ氏は、米国が「最高の兵器」を供給すると主張。その後、供給する兵器には地上配備型迎撃ミサイルシステム「パトリオット」が含まれると明らかにした。ウクライナに供給される兵器の資金は、NATO加盟国が負担するとも述べた。

「われわれは買うのではなく、製造する。資金は彼らが支払う」と同氏は語った。

ウクライナのゼレンスキー大統領は14日にX(旧ツイッター)への投稿で、トランプ氏と会談したと明らかにした。

ゼレンスキー氏は「ロシアの攻撃から国民をよりしっかり守り、われわれの立場を強化するための手段や対応策について大統領と協議した」と説明。「今後も電話で頻繁に連絡を取り合い、歩調を合わせていくことで同意した」と述べた。

ロシアのプーチン大統領を戦闘終結に追い込みたいトランプ氏は、今回の決定を大きな方針変更と自賛。ただ、米国に費用は一切かからず、少なくとも今のところウクライナに新たな資金提供を約束しないなど、決定の細かな部分ではトランプ氏の優先事項が反映されている。

「プーチン大統領には失望した。2カ月前には合意できると思っていたが、そうではないようだ」とトランプ氏は述べた。

トランプ氏が想定する2次関税の仕組みについて、ホワイトハウスは直ちには説明しなかった。ただ、同氏は以前、ロシア産原油を購入している国々に関税を課す意向を示唆していた。

トランプ氏の発言を受けて原油相場は下落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は2.1%下げ、1バレル=67ドルを下回り取引を終えた。

ここ数週間の発言から、トランプ氏のプーチン氏に対する我慢は明らかに限界に近づいている。政権発足当初のトランプ氏は非難の矛先をほぼウクライナのゼレンスキー大統領に向けていたが、最近は停戦要求を拒み続けるプーチン氏に対して、不満を募らせている。

一方、NATOは同盟国と協調して防空装備やミサイル、弾薬などウクライナの兵器需要を満たしていくとルッテ事務総長は述べ、フィンランドやデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、オランダ、カナダと並んでドイツが大きな役割を果たすと続けた。

原題:Trump Threatens 100% Russia Tariffs, Vows Arms for Ukraine (1)(抜粋)

(ウクライナのゼレンスキー大統領のコメントなどを追加し更新します)

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