(ブルームバーグ):シンガポールの大規模民間住宅プロジェクト「LyndenWoods(リンデンウッズ)」は、初日にほぼ完売した。新たな規制導入後、初めて発売された大型コンドミニアム(分譲マンション)で、通常より低い価格で販売された。
ハイテク工業団地「シンガポール・サイエンスパーク(SSP)」に建設される同物件は、シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングス傘下の不動産開発企業キャピタランド・デベロップメント(CLD)が手掛ける。同社は、予約受付を開始した12日に全343戸のうち約94%にあたる324戸を販売したと同日夜に発表した。
CLDによると、リンデンウッズの販売価格は1平方フィート当たり平均2450シンガポールドル(約28万円)。シンガポール全体および同地区の同種物件の中央値を下回る水準だ。購入者は主にプロフェッショナルやカップル、ファミリー層で、長期投資目的が中心とされる。
対照的に、約1.6キロメートル離れた別の住宅開発プロジェクトは、年初の販売開始以来、売れたのは358戸の半数に満たない。
政府による住宅価格抑制策の強化後に発売された大規模プロジェクトはリンデンウッズが初めて。新制度では、物件購入後に最低4年間は保有しなければ、高い税率で売却印紙税(SSD)が課されることになり、従来の3年から期間が延長された。
今回の販売実績は、短期利益目的の転売による住宅価格高騰リスクを懸念する当局の見方を裏付ける可能性がある。シンガポールは世界で最も住宅価格が高い市場の一つで、価格抑制と手ごろな住宅確保が政策課題となっている。
原題:Singapore’s First Home Launch Since New Curbs Sells Over 90% (1)(抜粋)
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