(ブルームバーグ):富士通の会計システムの欠陥が発端となって英国の郵便局で起きた冤罪(えんざい)スキャンダルを巡り、英政府が設置した調査委員会は富士通などに対し、10月末までに被害者救済措置の概要に関する報告書を提出するよう勧告した。
調査報告書では、約1万人が賠償を申し立てる資格があると指摘している。また、これまでに13人以上が自殺した可能性もあるという。富士通は調査への全面的な協力を継続し、政府とも補償に関しての協議を進めているとコメントを発表した。

同社株は9日の取引で3日続落し、一時前日比4.2%安の3255円を付けた。アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは、補償に伴う損失額や問題収束までの期間といった不透明感に加え、最近は株価が上昇基調だったこともあり、利益確定売りが膨らんだとの見方を示した。
富士通は会計システム「ホライゾン」を2000年前後から英ポストオフィスに提供していた。だが、ホライゾンのバグ(欠陥)により窓口で金額の不整合が生じ、英郵便局長らが窃盗の罪を着せられ、数百人が破産や収監に追い込まれる一大冤罪事件になった。富士通が巨額賠償を支払う可能性もあり、経営上のリスクになっている。
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--取材協力:堤健太郎.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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