(ブルームバーグ):4月から急回復を遂げた米国株だが、好調なパフォーマンスがこの先も続くのか疑問が生じている。個人投資家が高リスク銘柄に飛びついており、損失リスクも高まっている。
パンミュア・リバラムのセールストレーダー、マーク・テイラー氏は「第2四半期(4-6月)の株高は『ダッシュ・トゥ・トラッシュ(質の低い銘柄へのマネー殺到)』がけん引した」と指摘。「これは個人投資家による押し目での積極的な買い、およびパフォーマンス追随へのポジション転換というペイントレード(痛みを伴う取引)を示している」と述べた。
ビットコイン関連株は78%、量子コンピューティング銘柄は69%、いわゆる「ミーム株」は44%いずれも値上がり。どれもボラティリティーの高い市場の一角であり、投資家は将来のリターンを期待して資金を投じているが、それが実現する保証はない。空売り比率の高い銘柄で構成されたバスケットも29%上昇した。
S&P500種株価指数は4-6月に14%下落から11%上昇へと転じ、ナスダック100指数は最高値を更新した。背景には、通商合意への期待と利下げ観測の高まりがある。
より広範な視点では、景気循環銘柄へのエクスポージャーを高める動きが出ており、欧州では工業・建設セクター、米国では自動車、資本財、銀行セクターなどへの資金流入が鮮明だ。半導体やソフトウエア株も好調に推移している。
前出のテイラー氏によれば、金利低下とボラティリティー低減が、ルールとモデルに基づき自動売買するシステマティック・ファンドのモメンタム追随を促した。「株高の裾野の広がりを示す兆候も幾分見られたが、ベータ追随の動きは上期終盤まで続いた」という。
高リスク銘柄の多くは、すでに買われ過ぎの水準に達している。これらは短期売買の対象になりやすく、利益確定売りや空売り再燃のリスクが高まっている。

原題:Retail Risk Shows in ‘Dash to Trash’ Snap-Back Market Rally(抜粋)
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