ヘッジファンド運営会社シタデルの創業者で資産家のケン・グリフィン氏が、米国のリンカーン第16代大統領の署名が入った「奴隷解放宣言」と「合衆国憲法修正第13条」の文書を、計1810万ドル(約26億円)で購入した。

これらの文書は、ニューヨークで開催されたサザビーズのオークションに出品されたもので、グリフィン氏は米国の機関に貸与する意向だと、シタデルの広報担当者が明らかにした。具体的な貸与先は明らかにしていない。

グリフィン氏(56)は声明で「奴隷解放宣言と修正第13条は、奴隷制という忌まわしい制度を廃止し、全ての人間は平等に創られたという理念を前進させる重要な一歩となった」とした上で、「米建国250年が近づく中、われわれ誰もがこの国の約束を強化し、新たにする役割を担っている」とコメントした。

奴隷解放宣言は病気や負傷した兵士の支援資金を集めるため1864年に開かれた催し向けに印刷されたもので、440万ドルで落札された。1865年の日付が入った修正第13条の文書は、リンカーン氏と議会メンバーの両方の署名が確認されている15点のうちの一つ。落札額は1370万ドル。

今回の購入は、グリフィン氏の愛国的な慈善活動における新たな動きだ。2021年に4320万ドルで購入した米国憲法の文書は、同氏が所有する権利章典の文書と共に、26年にフィラデルフィアの米国憲法センターに展示される予定となっている。また首都ワシントンにあるリンカーン記念堂の地下に新設される博物館建設にも資金を提供している。

原題:Griffin Spends $18 Million on Lincoln-Signed Civil War Documents(抜粋)

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