中国の資産管理会社、鵬華基金管理のファンド、鵬華優選回報混合基金は、年初来リターンが24%に達し、約2300本の類似ファンドの中で上位3%に入っている。

同ファンドは近年、酒類や農業といった伝統的セクターへの投資が足を引っ張り、成績が低迷していた。

しかし2024年初頭に謝添元氏(30)が運用を引き継ぐと成績は好転した。

同氏はすぐに、当時最大の保有銘柄だった白酒メーカーの貴州茅台酒を売却し、人気キャラクター「ラブブ」の製造元である泡泡瑪特国際集団(ポップマート・インターナショナル・グループ)株に入れ替えた。

謝氏の戦略は、感情的な動機や趣味への関心に基づいて購買行動を決めるZ世代の消費トレンドをターゲットにするものだ。

デジタルの影響力と若年層の消費行動によってもたらされる文化的変化が、中国の投資家に新たな投資機会を生み出している現状を反映している。

 

日本のアニメ文化に浸って育った謝氏のデスクには、「ドラゴンボールZ」のフィギュアが並んでいる。

個人的なファン心理とオンラインでのリサーチを組み合わせることで、有望なキャラクターやデザイン、知的財産(IP)を中核に据えたいわゆる「IPブランド」を見極める眼を養ったという。

自らもZ世代に属する謝氏は、中国で進む「感情消費」トレンドの原動力であるこの世代の感覚をつかんでおり、何が広告を超えて人々の心に響き自然と広がっていくかを理解している。

「画期的な製品や新しいビジネスモデル、革新的な販売経路を持つ企業、つまり視覚的な魅力と遊び心を備えた商品を持つ企業を選んでいる」と謝氏は語った。

謝氏のデスク

謝氏の主力銘柄であるポップマートは、3月時点でファンド資産全体の10.5%を占めており、1銘柄の保有比率の上限ぎりぎりとなっていた。

そのほか、高級コスメの毛戈平化粧品や、使い捨て衛生製品の重慶百亜衛生用品、ペットフードの煙台中寵食品などにも大きく投資している。

毛戈平化粧品株は今年に入って83%上昇した。

原題:China Fund Beats 97% of Peers by Buying Pop Mart, Dumping Moutai(抜粋)

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