(ブルームバーグ):米株市場で、大規模なオプションポジションの満期に伴うボラティリティー(変動性)上昇への警戒感が高まっている。このオプションは過去1カ月間、S&P500種株価指数の下支え役となっていた。
資産規模210億ドル(約3兆200億円)の「JPモルガン・ヘッジド・エクイティー・ファンド」は、下落やボラティリティーに対するヘッジ手段としてデリバティブ(金融派生商品)を活用。ヘッジのためのポジションとして、6月30日満期で翌四半期にロールオーバーされる数万枚の建玉を保有する。
これが、数カ月ごとに市場の注目を集めるイベントとなっている。
スポットガンマの創業者ブレント・コチュバ氏は、「1、2営業日の短期の変動が迫っており、調整があっても7月4日の祝日前にすぐに回復するとみている」とリポートで指摘した。
ポジションの下限の行使価格はS&P500種の今の水準を大きく下回り、相場に過度な影響を及ぼす可能性は低いともコチュバ氏は説明した。
一方でディーラーが、押し目買いによりこのポジションをヘッジしてきた経緯があり、最高値圏にある米国株は一定の下支えを失う可能性がある。

原題:JPMorgan Fund’s Expiring S&P Options Position Draws Market Focus(抜粋)
--取材協力:Christian Dass、Michael Ball.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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