(ブルームバーグ):ノルウェー最大の民間年金基金が、ポートフォリオから防衛企業2社を除外した。イスラエル軍やパレスチナ自治区ガザでの戦争に関係していることを理由に挙げた。
約1140億ドル(約16兆4500億円)を運用するKLPペンションは6月30日付の発表文で、軍用・特殊車両製造の米オシュコシュ、ドイツの鉄鋼・工業製品大手ティッセンクルップについて、イスラエル軍に兵器を販売しているため今後は投資しないと明らかにした。
KLPによれば、決定は昨年6月に発表された国連の報告書がきっかけとなった。報告書では、最終的にガザで使用された兵器をイスラエル軍に供給した企業を特定していた。KLPはこれを受けて企業側と協議したが、2社は同基金の投資指針に「反している」と結論づけた。
「従って、2社を当基金の投資対象から除外することを決定した」と、KLPアセットマネジメントの責任投資部門責任者キラン・アジズ氏は発表文で表明。同月16日以前、KLPはオシュコシュ株を約1900万ノルウェー・クローネ(約2億7000万円)分、ティッセンクルップ株を約1000万クローネ(約1億4000万円)相当保有していた。
ティッセンクルップの対外広報責任者コンラッド・ベッカー氏は30日に電子メールで、ドイツの外交・安全保障「当社の納入はすべて合法的な認可に基づき、ドイツの外交および安全保障政策のガイドラインを「厳格に順守し、法的な承認が得られた場合のみ供給を行っている」と説明した。
また、「すべてのプロジェクトは開始前に予備調査を提出している」とし、ドイツ政府が「当初からプロセスに関与している」と付け加えた。
オシュコシュにも通常の営業時間外にコメントを要請したが、応答はなかった。
KLPは同様の基準に従い、鉱業・建設機械大手の米キャタピラーを投資対象から昨年除外した。
原題:Norway Pension Fund Blacklists Firms Supplying Israeli Army (1)(抜粋)
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