NTTが、データセンターを対象とした不動産投資信託(REIT)をシンガポールで上場させ、最大で8億1200万ドル(約1170億円)を調達する計画だ。実現すれば、シンガポールで8年ぶりの大型IPOとなる見通し。

ブルームバーグ・ニュースが確認した条件文書によると、「NTT DC REIT」は、1口当たり1ドルのIPO価格で、時価総額10億ドル以上を目指している。オーバーアロットメントのオプションが行使された場合、調達額は8億6400万ドルに達する可能性がある。

コーナーストーン投資家7者が合計1億7280万ドル分の購入を約束しており、シンガポール政府投資公社(GIC)は1億ドル以上の出資予定。

ブルームバーグが集計したデータによると、今回の上場は2017年に17億ドルを調達した「ネットリンクNBNトラスト」以来の大型案件となる。

シンガポールでのIPOは今年に入って自動車整備会社が450万ドルを調達した1件のみとなっており、香港や日本など他のアジア市場と比べて低迷。シンガポール政府は今年2月、税制優遇措置など一連の政策を発表し、上場誘致や地元企業への投資促進など株式市場の活性化を図っている。

リンクトインの企業プロフィルによると、NTTのグローバルデータセンタープラットフォームは、世界最大級で20カ国以上で展開している。目論見書によると、NTT DC REITに組み入れられるデータセンター資産の価値は約16億ドル。

IPOの幹事は、シンガポール最大の銀行、DBSグループ・ホールディングスやバンク・オブ・アメリカ(BofA)、スイスの銀行UBSグループ、みずほフィナンシャルグループ、米銀シティグループが共同で務めている。

原題:NTT’s $812 Million REIT Float Set to Break Singapore IPO Drought(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.