(ブルームバーグ):サウジアラビアへの海外からの直接投資(FDI)が2022年以降で最も好調な滑り出しを切った。海外資本の誘致によって国家の経済目標を支える取り組みが成果を上げつつあることを示している。原油相場の低迷や石油の輸出収入減少などが重なり財政赤字が膨らむ中、サウジにとってFDIの重要性が増している。
29日に発表された統計総局の速報値によると、1-3月(第1四半期)のFDIの流入額は64億ドル(9250億円)で、前年同期比24%の増加となった。前の四半期は1年ぶりの高水準だったが、今回もそれに近い数字となった。
サウジは、ムハンマド皇太子が主導する数兆ドル規模の経済多角化プログラムに必要な巨額投資を支えるため、海外からの直接投資の誘致を最重要課題の1つに位置づけている。しかし、投資家側が抱える課題や大型案件の不足により、最近まで資金の流入は停滞していた。

直近の過去2四半期のデータではFDIは増加しているが、今年の年間目標である370億ドルを達成するには過去最高の資金流入が不可欠な状況。速報値によれば、24年は年間目標に数十億ドル届かなかった。
また、29日に発表された別の経済指標によると、サウジの先月の対外純資産は4350億ドルで、9カ月ぶりの高水準だった。第1四半期の失業率は過去最低の6.3%に下がった。
国際通貨基金(IMF)は最近、サウジの労働市場の持続的な力強さやショックへの耐性を評価し、25年の国内総生産(GDP)成長率の見通しを3%から3.5%に上方修正している。
原題:Saudi FDI Inflows Signal Momentum in Push For Foreign Cash (1)(抜粋)
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