(ブルームバーグ):ソフトバンクグループの孫正義社長は、後継者候補についてグループ内に数人いると明らかにした。外部から経営者を招くのではなく、社内人材を競わせる考えも示した。
孫氏は27日に開いた定時株主総会で、具体的に誰とは決めていないが、「頭の中には何人か、可能性のある人を絞っている」と説明。また「いつなにがあっても任せられるようにと気持ちの準備はしている」とし、同社の成長を妨げると考えた場合には、社長を退く考えも示した。
また、子会社ソフトバンクの宮川潤一社長については「しっかり頑張っている。彼がやることには信頼をもって任せている」と評価した。

かつて後継者として有力視されていた元副社長のニケシュ・アローラ氏、佐護勝紀氏、ラジーブ・ミスラ氏はいずれも退任。後継者探しの先行きが不透明になっていた。
孫氏は近年、人工知能(AI)分野に情熱を傾けている。株主総会でも10年後に人工超知能(ASI)領域で「世界一のプラットフォーマー」を目指すと宣言。また、「社長として残ったほうがいいと思う場合には、少しでも情熱を継続したい気持ちはある」とも話した。
ソフトバンクGが総額4.8兆円の投資を予定している米オープンAIについて、孫氏は同社の評価額が「40数兆円」に達しており、トヨタ自動車の時価総額を上回ると強調した。売上高は直近で年間1兆5000億円規模に達しており、「倍々ゲーム」で拡大を続けていると説明。新規株式公開(IPO)については「あと数年」との見通しを示し、投資回収に対する自信をのぞかせた。
DeepSeek(ディーブシーク、深度求索)のような企業は今後も出現するとの見方を示した上で、競争に勝つのは「最先端のAIを使った企業だ」と述べた。
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