欧州中央銀行(ECB)当局者は利下げを急がない姿勢を示しているが、エコノミストの間では年内にもう1回利下げがあるとの見方が多い。

ブルームバーグ調査によると、9月の政策委員会会合で0.25ポイントの利下げが引き続き見込まれている。予想通りなら中銀預金金利は1.75%に引き下げられる。調査はECBが今回のサイクルで8回目となる利下げを6月会合で決定した後に実施された。

ECBのラガルド総裁は、「今後の不安定な状況に対処できる良い位置にある」と述べている。インフレ率が目標の2%に近づく中で、他の政策委員会メンバーも7月の金利据え置きを支持しており、利下げサイクルはほぼ終了したと指摘する当局者もいる。

ユーロ高とエネルギー価格下落を背景に、ECBのスタッフは来年のインフレ率見通しを1.6%に下方修正した。一方、ブルームバーグ調査の予測は1.9%で変更はない。

ユーロ圏経済は年初に堅調さを見せた。米国の関税を回避するため輸出が前倒しされたことが影響した。貿易を巡る不透明感が続いているが、エコノミストの成長率予想に大きな変化はない。2026年の成長率予測は小幅下方修正されて1%、27年は1.5%と想定されている。

原題:ECB Seen Cutting Once More as Officials Strike Cautious Tone(抜粋)

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