欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、物価上昇率が目標に近づいているとの認識を示す一方、米国の関税措置による不確実性について警鐘を鳴らした。

ラガルド総裁

中国国営の新華社通信とのインタビューで、「ECBの主要な責務は物価安定であり、それはわれわれの戦略に明確に定められている」と指摘。「2%の中期物価目標達成が視野に入っている。だが金融の安定なくして物価の安定はあり得ない」と述べた。

トランプ米大統領による予測困難な通商政策は、先行き不透明感を高め、物価上昇圧力をもたらしかねない主な要因の一つとなっている。

ラガルド氏は「一つに影響を及ぼすものは他にも影響を与える。状況が満足のいく形で解決されず、不確実性が解消されない場合、企業はサプライチェーンを見直すことになろう」と指摘した。

「調達や供給の見直しが実施されると脆弱(ぜいじゃく)性が強まり、不確実性の期間も長くなる。その間に成長は損なわれ、結果的にインフレ圧力が高まる恐れがある」と語った。

インタビューの内容はECBウェブサイトに掲載された。

原題:ECB Within Reach of 2% Inflation Goal, Lagarde Tells Xinhua(抜粋)

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