(ブルームバーグ):米株式相場が回復し、2月の過去最高値までわずかに迫る中、企業幹部の間では自社株を売却する動きが目立ち、買い手と売り手の比率が昨年11月以来の低水準となっている。
調査会社ワシントン・サービスが集計したデータによれば、今月株式を購入したインサイダーは11日までで200人だった一方、売却したのは778人に上った。買い手と売り手の比率は約0.26と、トランプ氏のホワイトハウス返り咲きを受けて数カ月にわたる株高局面が始まった昨年11月以降で最低となった。
企業を最もよく知っているとされる幹部による買いが低水準にとどまっていることは、米国株がここ2カ月余りで21%上昇したにもかかわらず、こうしたリスクオンの勢い継続への確信が欠けていることを示している可能性がある。
S&P500種株価指数とナスダック100指数は、再び過去最高値近辺で推移している。貿易関連のポジティブなシグナルや底堅い企業決算を受け、4月2日のトランプ米大統領による上乗せ関税発表が招いた混乱から回復しつつある。
BCAリサーチの米株式チーフストラテジスト、アイリーン・タンケル氏は「企業幹部のメッセージは明確だ。多くの幹部が株式は割高だと判断し、今が売り時と考えている」とし、「多くのインサイダーは企業の時価総額を巡るリスクがますます下向きに傾斜していると認識している」と述べた。

原題:Insiders Use Rally to Dump Shares at Fastest Pace Since Election(抜粋)
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