米ソフトウエア大手のアドビは12日、6-8月(第3四半期)の好調な売上高見通しを示した。ただ、人工知能(AI)に特化した新興企業との競争において同社が打ち勝てるかどうかについては、投資家の懐疑的な見方は根強い。

発表資料によると、6-8月期の売上高は58億8000万ドル(約8400億円)から59億3000万ドルを見込んでおり、アナリスト予想平均の58億8000万ドルを上回る見通し。同社は一部項目を除いた1株利益は5.15-5.20ドルと予想。市場予想平均は5.11ドルだった。

AIツールが従来型ソフト業界のリーダーを脅かすかどうか投資家の間で議論が高まる中、アドビの四半期業績は同社の競争力を見極める「通知表」として注目されている。キャンバなどのデザインアプリや、ミッドジャーニーの画像生成ツールなどが勢いを増している一方、アドビは「Photoshop」などの主力製品に生成AIを組み込み、巻き返しを図っている。

ダン・ダーン最高財務責任者(CFO)は決算発表後の電話会見で、アドビの生成AIモデル群「Firefly」を活用して作成されたコンテンツが累計240億件超に達したと説明。3月時点の200億件から増加した。アドビは当時、AI製品から年間2億5000万ドルの継続収入を見込んでいると明らかにしていた。

アドビの株価はこの日の時間外取引でほぼ変わらず。通常取引終値は413.68ドルで終了。

3-5月(第2四半期)の売上高は前年同期比11%増の58億7000万ドルとなり、アナリスト予想平均(58億ドル)を上回った。一部項目を除いた1株利益は5.06ドルで、市場予想平均は4.98ドルだった。

原題:Adobe Gives Sales Outlook That Fails to Convince AI Skeptics (1)(抜粋)

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