(ブルームバーグ):米家計の純資産は1-3月(第1四半期)に減少した。関税の影響による株式相場の下落が背景にある。減少は2023年以来。
米連邦準備制度理事会(FRB)が12日発表した資料によると、家計純資産は前四半期から1兆6000億ドル(約229兆9500億円、0.9%)減の169兆3000億ドル。家計が保有する株式の価値は2兆3000億ドル減少した。
1-3月には株安で数兆ドルもの時価総額が消失した。トランプ米大統領の保護主義的な貿易政策が成長や収益見通しを損ねるとの懸念が強まった。しかし、政権が関税の引き下げや一時停止に動いたことで、S&P500種株価指数は急反発。4-6月(第2四半期)の家計資産も回復することが示唆されている。
家計が保有する不動産の価値は1-3月に2270億ドル減。住宅市場の低迷を反映し、3期連続のマイナスとなった。
消費者の借り入れは年率ベースで1.9%増加。約5年ぶりの低い伸びとなった。住宅ローンを除く消費者信用の伸びが約1年ぶりの低水準となったほか、住宅ローン債務の伸びも鈍化した。
企業の債務残高は年率で4.8%増に加速。ほぼ3年ぶりの高い伸びを記録した。公共部門では、州・地方政府の債務が増加。一方、連邦政府の債務は2021年7-9月(第3四半期)以来の低い伸びにとどまった。
家計や非営利団体が保有する預金(普通預金や当座預金、マネー・マーケット・ファンドを含む)は2%増加し、過去最高を更新した。
原題:US Household Net Worth Falls for First Time Since 2023 on Stocks(抜粋)
--取材協力:Reade Pickert、Mark Niquette.
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