健康な成人と子どもを対象とした新型コロナウイルス感染症のブースター接種について、米規制当局は今後、新たな臨床試験で安全性と有効性が確認されることを承認の条件とする。コストのかかる新要件が追加され、将来的にはワクチン接種対象者が絞られる可能性もある。

米食品医薬品局(FDA)のマカリー長官と同局のワクチン部門を率いるビナイ・プラサド氏は、医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に20日掲載された論文で、新たな方針を説明した。

現行制度ではインフルエンザやコロナウイルスなどの季節性ワクチンに関し、製薬会社がウイルスの変異に対応した新しいフォーミュラを導入する際、簡易な試験で強い免疫反応を確認することで承認を得ており、改めて臨床試験を実施することは求められていない。

しかし今後は、健康上のリスクがない生後6カ月から64歳までを対象に、新型コロナワクチンの季節ごとの更新版導入には無作為化対照試験(ランダム化比較試験)の実施が求められる。65歳を超えるすべての成人とリスク要因を抱える人々向けのワクチンについては、現行の簡易な手法での承認を継続する方針だという。

リスク要因に該当する条件は幅広く、肥満やうつ病などが含まれる。マカリー、プラサド両氏によると、このような高リスクに該当する米国人は1億人から2億人と推定される。

原題:FDA Requires Studies of Covid Boosters for Healthy Kids, Adults(抜粋)

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