英政府は、実質ベースの移住者数が最近数年で過去最高に達する状況を受け、移民抑制策の一環として、英語能力の要件を引き上げ、在留継続をより難しくする方針だ。

英首相官邸は11日遅くに配布した発表資料で、5年より長く英国に居住した移住者に自動的に永住権や市民権を与えてきた従来の出入国管理制度が終了すると明らかにした。

ナイジェル・ファラージ氏率いる右派ポピュリスト政党「リフォームUK」は反移民を掲げ、今月初めに実施された地方選で躍進した。スターマー政権は移民抑制の強硬策を打ち出すことで、党勢の回復を目指している。

新たな制度では、社会・経済への「真の持続的貢献」という要件を欠く場合、永住申請は英国での10年間居住が条件となる。医師や看護師、エンジニア、人工知能(AI)スペシャリストなどの専門職には早期の手続きが認められる。

永住権や市民権を取得する条件の厳格化に加え、「全ての入国ルート」で英語能力の基準を引き上げ、介護事業者による海外からの人材採用も終わらせる。12日公表の白書に一連の案が盛り込まれる。

スターマー英首相は「わが国に来る人々は、社会に溶け込み、われわれの言語を学ぶ責任を負うべきだ。就労や家族、留学を含め出入国管理制度のあらゆる分野を厳格化し、管理を強化する。より厳しい運用が行われ、移住者数は減少するだろう」と説明した。

原題:UK Steps Up English Tests, Toughens Rules for Migrants (1)(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.