SMBC日興証券は、シティグループ証券で市場営業本部長を務めていた松本圭太氏を常務執行役員に、また野村ホールディングスに25年以上にわたり勤務した元幹部の薄井進氏を執行役員にそれぞれ抜擢する人事を決めた。ライバル社の元幹部を要職に起用することで事業を強化する。

SMBC日興は7日夕、松本、薄井両氏を含む幹部職員などの人事を発表した。シティG証を退社し、すでにSMBC日興の顧問となっていた松本氏は金融市場本部長に、薄井氏はエクイティ共同本部長に就任する。ともに6月1日付。

ブルームバーグは2月、松本氏がシティG証を退社することになったと、複数の関係者の話を基に報じていた。

薄井氏は野村HDで香港を拠点とするグローバル・エグゼキューション・サービスの共同責任者を務めた。野村証券の執行役員の一員でもあった。同氏のリンクトインのプロフィルによると、過去には日本のトレーディング・サービスを統括した経験もある。

非公開情報だとして匿名を条件に語った関係者らによれば、薄井氏は今月、SMBC日興に入社した。リンクトインによると過去数カ月内に野村HDを退社していた。

2年前にブロックオファーと呼ばれる株式取引による相場操縦で有罪判決を受けたSMBC日興は事業の再建を進めている。

同社の2025年1ー3月期の連結純損益はトレーディング部門と投資銀行部門の減収となる中、四半期ベースで23年4-6月期以来の赤字に転落した。

(SMBC日興の発表を受け内容を更新します)

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