(ブルームバーグ):アステラス製薬の岡村直樹社長は、株主である米投資会社のファラロン・キャピタル・マネジメントとの対話を続けていくとの考えを示した。
岡村氏は7日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで自社の潜在的な価値を見いだしていることをうれしく思うと述べたほか、企業価値に資する提案であれば受け入れていきたいとした。今年の定時株主総会への株主提案は一切受け取っていないという。

ファラロンがアステラス株の3%超のポジションを構築したと、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が2月に報じていた。ファラロンは物言う株主として知られ、過去には東芝に取締役を送り込んだ。
自社株買いや配当などについて株主から要望を受けることもあるが「是々非々で判断していく」とした上で、2023年に米アイベリック・バイオを買収した負債を返すことが最優先事項と話した。
一方、米国の関税政策の影響についてはいくつかのモデルを分析しているが、考えを巡らすには時期尚早という。地政学的な緊張が高まる中、複数の調達先を確保するなどのサプライチェーンの柔軟性が求められていると岡村氏は指摘した。
関税という規制が加わっても、薬価は患者が医薬品を手にできるかに関わるため、「青天井で価格を上げればいいということには絶対ならない」とし、企業努力でこれまで通り供給し続けることだと話した。
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