語学学習アプリを手掛ける米デュオリンゴは、シリコンバレー基準でみても積極的に人工知能(AI)を活用し、他社と一線を画している。事業全体にAIを取り入れる一方で、特定の業務には人手が不要になる可能性を認めた。

デュオリンゴはこうしたアプローチが言語学習コースの急拡大に貢献していると示唆したが、一方でAIによる労働市場や仕事の質への影響を巡る白熱した議論に巻き込まれる格好となった。

ルイス・フォン・アーン最高経営責任者

同社はこのほど、生成AIの支援を受けて開発した148の新コースの提供を開始した。非英語話者向けの外国語コースは1年間で2倍以上に拡充された。具体的には、スペイン語、ポルトガル語などの話者は、日本語、韓国語、中国語を学ぶことができるようになる。アジア言語の話者は、人気の高い英語以外の言語も学習できる。新コースは主に初心者向けで、より高度なコンテンツは年内に順次追加する。

今回の新コースは同社史上最大のコンテンツ拡充となり、潜在的に世界で10億人以上の学習者に新たな学習の機会が開かれるとしている。

共同創業者のルイス・フォン・アーン最高経営責任者(CEO)はブルームバーグニュースに対し、「最初の100コースの開発には約12年かかった。AIの支援により、これまでにない規模とスピードで学習方法を改善する新たなコンテンツを作成できるようになった」と説明した。

フォン・アーン氏は2日前、全社宛てのメールでデュオリンゴのAI活用について、品質面で「時折小さな影響を受ける」可能性を認めながらもコンテンツ作成を加速させる上で「近年で最も良い決断の一つだ」と述べた。

同社は昨年1月、AIシフトに伴い契約社員の10%を削減。「AI優先」戦略を強化してAIで対応可能な業務については契約社員の利用を徐々に停止する方針を示しており、人員配置は業務の自動化が進められない場合に限るとしている。

原題:Duolingo More Than Doubles Courses as ‘AI-First’ Push Draws Heat(抜粋)

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