エネルギー各社が、日米の関税交渉の中で日本の参画が取り沙汰されているアラスカ州の液化天然ガス(LNG)プロジェクトに、選択肢の一つとして注目している。

国内最大の発電事業者JERA(ジェラ)の前川尚大財務戦略統括部長は28日の決算会見で、エネルギー安全保障の観点から「いろんな選択肢の中でアラスカも有望な調達先の1つとして当然当社として検討したい」と述べた。調達先の選定は供給安定性や経済性で判断しており、今後の動向を注意しながら適切に対応していくと続けた。

トランプ大統領は、長らく停滞していた総工費440億ドル規模のアラスカLNGプロジェクトを推進しようとしている。2月に開かれた日米首脳会談でも言及しており、米政府は同プロジェクトへの日本の参画を期待している。

前川氏によると、同社が取り扱うLNGのうち米国産の比率は1割程度なのに対し、アジア・オセアニア地域は半分以上を占める。調達ポートフォリオの一層の分散化を進めることは大事だとした上で、米国比率をどの程度まで増やすかについて具体的な数字は現時点では持っていないと話した。

東京ガスの南琢最高財務責任者も同日の決算説明会で、「一つの輸入先としては注視していく」と述べた。アラスカLNG事業は地理的に日本に近いなどのメリットがあるという認識だが、コストの面が明らかになっていない状況のためだ。

(東ガスのコメントを追加して更新します)

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