トランプ大統領の混乱した政策で「米国売り」に走る投資家もいるが、米国経済の基調的な強さを自分はなお信じていると、米資産運用会社バンガード・グループのサリム・ラムジ最高経営責任者(CEO)が述べた。

ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米国例外主義はピークを過ぎたのかと問われたラムジ氏は「全く違う」と回答した。

数十年続いた米国投資の優位性が終わりを迎えているとの見方で市場は一致しつつあるが、ラムジ氏の見解はこれに異を唱える。

ソシエテ・ジェネラルの資産配分責任者、アラン・ボコブザ氏は22日、トランプ氏が多方面との貿易戦争を継続する限り、米資産からの資金移動は今後数年続く見通しだと述べた。

S&P500種株価指数は今年に入り、トータルリターンベースで約10%下落し、トランプ氏が関税導入を発表したり停止してみたりで株式市場のほぼ全セクターを動揺させた今月初めには、弱気相場の領域に入る場面もあった。米国債とドルの相場も急激な変動に揺れ、安全資産としての伝統的な地位を脅かしている。

過去数週間に米国資産は幅広く売られているが、トランプ氏の通商政策が米経済の金融面の優位性に終わりを告げることにはならないと、ラムジ氏は主張した。

「当社の資金動向にも明確に表れている」とラムジ氏は述べ、「当社の顧客行動や自社の投資チームの信条にも、それは見て取れる」と続けた。バンガードは10兆ドル(約1412兆円)を超える資産を管理する。

ブルームバーグがまとめたデータによると、バンガードの上場投資信託(ETF)は年初来で約1117億ドルの資金が流入。このうち990億ドルが米国株や米国債に重点投資するETFだった。一方で同社は、資産の分散も続けている。

ラムジ氏は「顧客には常にバランスが必要だ。米国と米国以外、株式と債券の適切な配分を、当社は数十年にわたって訴えてきた」と語った。

原題:Vanguard CEO Says US Exceptionalism ‘Absolutely’ Hasn’t Peaked(抜粋)

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