ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブス氏は、イーロン・マスク氏が「政府効率化省(DOGE)」での物議を醸す活動から退き、電気自動車(EV)メーカー、テスラの経営に再び集中すべきだと述べた。22日に1-3月(第1四半期)決算発表を控えるテスラが「非常事態」にあると付け加えた。

アイブス氏は20日付の顧客向けリポートで「マスク氏は政府を離れ、DOGEに関する活動から大きく身を引き、テスラのCEOとしてフルタイムで復帰すべきだ」と主張。「マスク氏が与えたブランドへのダメージが現実でないと考える人がいるなら、米国や欧州、アジアの自動車購入者と話をすべきであり、そうすれば考えが変わるだろう」とコメントした。

2週間前にアイブス氏はマスク氏とトランプ米大統領の貿易政策が引き起こしたブランド危機を理由に、テスラの目標株価を43%引き下げた。アイブス氏の最大の懸念は、テスラが昨年、売上高の2割以上を占めた中国に対するトランプ氏の関税措置を巡る反発に巻き込まれる可能性だ。マスク氏はまた、トランプ政権による連邦政府の規模縮小努力の象徴となり、テスラの主要顧客層である進歩的消費者を激怒させている。

アイブス氏は「テスラは残念ながら、トランプ政権とDOGEのグローバルな政治的シンボルと化した」と指摘。就任以来テスラ株は急落し、同社の1-3月期納車台数は低調で、テスラに対する抗議活動は続いており、「マスク氏がDOGEで引き起こしたブランドへのダメージにより15-20%の永続的な需要破壊が生じる恐れに同社は直面していると述べた。

テスラの株価は1月17日以来43%下落している。22日の決算発表の際には、2025年の販売台数、自動運転技術の進捗(しんちょく)、ロボタクシーネットワーク計画、関税の収益性への影響について質問を受ける見通しで、これらすべてにマスク氏のホワイトハウスにおける役割が影を落としている。

マスク氏は年間最大130日の勤務が可能な特別政府職員という立場にある。関係者は今月、マスク氏が130日間の任期が終了すれば、役割から退く見通しだと述べた。

原題:Tesla Bull Ives Warns of ‘Code Red’ If Musk Sticks With DOGE (1)(抜粋)

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