(ブルームバーグ):ベッセント米財務長官は14日、外国勢が保有する米国債を投げ売りしているとの臆測をはねつけ、最近の国債相場下落の深刻度について否定的な考えを示した。また、必要に応じて市場の乱調に対処する手段が財務省にあることを示唆した。
ブエノスアイレスを訪問中のベッセント氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、外国の投資家による米国債の「投げ売りはないと思う」と発言。先週行われた米10年債と30年債の入札で外国の需要増加が見られたと指摘した。
米国債相場の下落についてベッセント氏は、主にレバレッジ解消によるものだとの解釈をあらためて表明。下落の背後に「国家があるとの証拠はない」と語った。
また、行動を起こす必要性には「程遠い」としつつも、必要に応じて「展開することができる大きなツールキット(道具箱)がわれわれにはある」と言明。それには既発国債のバイバック(買入消却)プログラムが含まれ、「われわれがその気になれば買い戻しを増やす事ができる」と説明した。
米財務省は昨年、2000-02年以来となる定期的な国債バイバックを再開した。「オフ・ザ・ラン銘柄」を買入消却し、「オン・ザ・ラン銘柄(カレント銘柄)」と入れ替える流動性の支援が目的だ。
先週の米国債相場は週間ベースで01年以来の大幅下落に見舞われた。外国為替市場ではドルも売られ、市場参加者の一部はこうした動きについて、米国資産への国際的な信認低下のサインだと強調した。

パウエル連邦準制度理事会(FRB)議長と毎週行っている最新の会合で米国債市場を巡る懸念を話し合ったかとの質問に対し、ベッセント氏は「具体的にはブレーク・ザ・グラス(緊急時の対応)のようなものを議論したか、ということだ。それには程遠いと考える」と答えた。
パウエル議長が懸念を抱いていたかどうかさらに問われたのに対してベッセント氏は、仮にそうであれば「議長から聞いていただろうと考えられる」とコメントした。
ベッセント氏はこのほか、次期FRB議長候補の面接のタイミングとして「秋のいつか」を想定していることを明らかにした。パウエル氏は来年5月に2期目(1期4年)の任期切れを迎える。
金融政策の決定に当たっての連邦準備制度の独立性を尊重する考えも重ねて表明し、「保護しなければならない宝石箱」だと表現した。金融規制を巡っては、FRBが複数の銀行規制当局の一角である点を踏まえ、さらなる協議を行う可能性に言及した。

元ヘッジファンド運営者のベッセント氏は、「1週間単位で起きたことは見ないようにする」よう自身のキャリアから学んだともコメント。1998年のヘッジファンド「ロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)」破綻を振り返り、トレーディングの歴史は「いつまでも残るかさぶた」のようなものだと語った。
「基本合意」も
先週の米国債とドルの同時下落が安全な投資先としての地位を米国が失いつつあることを示しているのではないかとの懸念に対し、ドルは「引き続き世界の準備通貨」であり、「強いドル政策」は依然としてあると述べ、ベッセント氏は否定的な見解を表明した。
他方、中国がトランプ大統領による対中輸入関税率の大幅に引き上げを「ジョーク」と呼んだことに関しては、「中国商務省のユーモアのセンスは恐らく異なるのだろうが、面白いものは何もない」と話した。
日本などと行う関税協議を巡っては、「通常、最初にディール(取引)をした人が最も良い取引をする」とし、先行者メリットはあると明言。対中国を除き上乗せ関税を90日間停止するとした先週のトランプ氏の発表を受け、この期間の終了までに実際の通商「文書」はないかもしれないが、米国と貿易相手国・地域が前に進むことを可能にする「基本合意」はあるかもしれないと論じた。
原題:Bessent Says Treasury Has Big Toolkit If Needed for Bonds (1)、Bessent Says No Evidence of Sovereign Sales of US Treasuries、Bessent: Eying Sometime in Fall for Discussing Next Fed Chair、Bessent Says US Treasury Could Run Up Buybacks ‘If We Wanted’(抜粋)
(日本などとの関税協議に関する発言などを追加して更新します)
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