新発30年国債利回りが一時2.845%と前週末11日に比べ12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、2004年以来の高水準を更新した。超長期ゾーンの需給悪化に加え、政府による財政拡張への警戒感から売りが膨らんだ格好だ。

財務省は15日に20年国債入札を実施する。8日の30年国債入札の不調で超長期ゾーンの需給が悪化しており、同じ超長期ゾーンの20年債入札に対する警戒感が強い。超長期債は市場流動性が低く、売りが出ると吸収できずに利回りが大きく切り上がる特徴がある。新発20年債利回りは2.44%まで上昇し、04年以来の高水準を付けた。

 

日本国債は、トランプ米大統領が2日に上乗せ関税を発表した後の米国債の乱高下に追随する形で、世界的な債券市場の変動に巻き込まれている。石破茂首相が関税と物価上昇に対応するため、追加予算案を指示するとの観測が高まり、14日の利回り上昇に拍車をかけた。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、石破政権による補正予算編成の報道を受け、超長期債は財政悪化による悪い金利上昇が続くとみており、「財政を引き締めるような話が出ない限り、超長期金利の上昇は止まらない」と懸念を示す。

欧米より厳しい日本、低流動性影響

スワップ・データによると、米関税政策を巡る世界的な混乱の中で日本債券への売り圧力はドイツや英国、米国の債券よりも厳しい状況だ。日本の30年物国債は今月までにスワップ対比で23bpも安くなった。英国債はほとんど動かず、ドイツ債はさらに割高になった。

急激な利回り上昇の背景には超長期ゾーンの流動性の低さも影響している。14日の超長期債の取引は午後になって始まり、利回りが急上昇した。野村証券の宍戸知暁シニア金利ストラテジストは「きょうは40年債も業者間で取引が成立しておらず、流動性が乏しい状況だ」と指摘。米関税政策が発表されて以降、債券市場の流動性は日を追うごとに悪化していると述べた。

米国の関税による国内経済への悪影響が懸念され、日本銀行の追加利上げの見通しが不透明になっており、過去2週間の日本国債は乱高下した。日銀の植田和男総裁は先週、関税による不確実性の高まりを強調する一方、日銀の従来の政策スタンスを繰り返した。

(5段落にスワップのデータに関する記述を追加、チャートを更新します)

--取材協力:グラス美亜、佐野日出之、船曳三郎.

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