トランプ政権の関税政策について、ファーストリテイリングの柳井正社長は「関税合戦を続けていくと、発展途上国にとっては大災害である」と批判しました。

ファーストリテイリング 柳井正 社長
「関税合戦みたいなことを続けていくと、大国はいいかもしれないですけど、その周辺の国とか、発展途上国にとって大災害。今の国際情勢から考えて無理があるので、多分続かないと思います」

ユニクロなどを展開するファーストリテイリングの柳井社長はこのように批判し、「自国だけを優先する関税のあり方はグローバルに考えてあり得ない」と指摘しました。

ファーストリテイリングは世界380の縫製工場と取り引きがあり、中国には最も多い200を超える工場があるほか、ベトナムやバングラデシュ、カンボジアなどでも生産しています。こうした地域からユニクロなどの洋服をアメリカに輸出しているため、関税の影響は大きいとしています。

春・夏の商品については、相当量の在庫がすでにアメリカへ輸出を終えているため、影響は限定的としつつも、下期の北米ユニクロ事業利益は減益を見込むということです。

柳井社長は「生産地はいくらでも変更できる」と強調し、今後の関税の動向を見極め、対応していく構えです。

一方で、去年9月から今年2月までの連結中間決算で、最終利益は前の年より19.2%増の2335億円となり、中間決算として過去最高となりました。国内のほか、欧米や東南アジアなどで販売が好調で、今年8月期の最終利益予想を上方修正しています。