米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は9日、トランプ政権が進める関税政策がもたらす混乱が米経済のリセッション(景気後退)を引き起こすのは「予見性が高い」シナリオだと述べた。

ダイモン氏は「誰もそれを望んでいるわけではないが、もしそうなった場合は短期間で済むことを望んでいる」とFOXビジネスの番組で語った。

JPモルガンのダイモンCEO

同氏は、債務不履行(デフォルト)の増加はまだ確認されていないが、今後は増えそうだと指摘。「われわれは長い間、景気の減速や本格的なリセッションを経験していない。新型コロナ禍による影響は非常に短かった。そのため、金利が少し上昇し、インフレが根強く残り、信用スプレッドが拡大するような状況になれば、長らく見てこなかったような信用問題がもっと多く出てくると思う」と述べた。

ダイモン氏は投資家に宛てた7日の年次書簡で、「この問題は早期に解決するほど望ましい。なぜなら、時間の経過とともに一部の悪影響が累積的に増大し、元に戻すのが難しくなるからだ」と指摘している。

FOXビジネスの番組では「貿易が不公平だったという意見は完全に理にかなっている」とした上で、市場を落ち着かせるためにトランプ政権ができる最善策は、貿易を巡るディールの進展を示すことだと語った。

原題:Dimon Says Recession Is the ‘Likely Outcome’ of Tariff Upheaval(抜粋)

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