米アップルは動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」など中国の字節跳動(バイトダンス)のアプリを米国のアプリストア「アップストア」にさらに少なくとも75日間とどめる。トランプ政権からの保証を踏まえた措置だ。

事情に詳しい関係者によると、米国内におけるTikTok使用禁止の保留期間を延長する内容の米大統領令に従うべきだとしたボンディ司法長官の書簡をアップルは5日に受け取った。同社の広報担当者はコメントを控えた。

トランプ大統領は4日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「このディール(取引)では必要な全ての承認確保にもっと作業が必要だ。だから私はTikTokをさらに75日間運用できる大統領令に署名する」と説明した。

アップルは2月にも、ボンディ司法長官から同様の書簡を受け取った後にTikTokをアップストアに戻した。当時の書簡は、使用禁止措置を最初に一時停止した1月の大統領令を巡り、直ちに禁止措置は取らないと保証する内容だった。

TikTokは、アンドロイド端末で利用できるアルファベットのアプリストア「グーグルプレイ」でも引き続き入手可能だ。グーグルの広報担当者にコメントを求めたが、すぐに回答はなかった。

今回の期限延長の2日前に米当局は、米投資家が株式の過半数を握る米国版TikTok創設に向けた合意に近づいていた。バイトダンスの賛同も得たが、トランプ氏が米貿易相手国・地域に広範な関税を課す決定を下し、中国からの輸入品の関税率が54%に達する見込みとなったことが影響し、ディールはつまずいた。

原題:Apple Keeps TikTok on Its Store After Assurances from AG Bondi(抜粋)

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