フランスのバイル首相は、米国による関税賦課で、自国の国内総生産(GDP)成長率が0.5ポイント余り押し下げられ、財政赤字の解消に向けた取り組みが損なわれる恐れがあるとの認識を示した。仏紙パリジャンが5日報じた。

バイル氏は同紙とのインタビューで、「雇用喪失のリスクは非常に大きく、景気低迷や投資停滞のリスクも高い。トランプ政権の決定はフランスにとって極めて深刻であり、米国にとってはさらに大きな打撃となるだろう」と述べた。

トランプ大統領は2日、世界の貿易相手国に対し相互関税を課すと発表。欧州連合(EU)の関税率は20%とした。EU側は、必要に応じて報復措置を講じると表明している。

バイル首相

バイル氏はパリジャン紙に対し、 「このように錯乱した関税賦課は世界的な危機につながるだろう。それは米国民が最初の犠牲者となる地震のようなものだ」と語った。

同氏はまた、貿易戦争が財政赤字削減に向けたフランスの取り組みに悪影響を及ぼしかねないと警告する。

「われわれの狙いは、2029年に財政赤字の対GDP比率を3%に戻すという目標を達成することだ。しかし、今回の危機で全てが変わる恐れがある」と指摘した。

原題:US Tariffs Could Cut France GDP by Over Half a Point, PM Says(抜粋)

--取材協力:William Horobin.

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