(ブルームバーグ):米国と中国は、関税措置の緩和と引き換えに人民元を上昇させるディールを交渉する可能性がある。ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏がこうした見方を示した。
中国の高官と最近会談した同氏は4日、ソーシャルメディアのX(旧ツイッター)への投稿で、「貿易面での緩和と引き換えに中国人民元を対ドルで強くする米中のディールを巡る交渉が行われるのは、想像に難くない」と指摘した。
実現した場合、中国にとってデフレ的で経済を冷え込ませる要因が加わり、その結果「中国は金融政策と財政政策のいずれか、または両方を緩和せざるを得なくなるだろう」とダリオ氏は言及した。
この投稿に先立ち、同氏は中国の何立峰副首相や中国人民銀行(中銀)の潘功勝総裁、王文濤商務相らと会談していた。
中国は4日、米国からの輸入品全てに34%の関税を課すと発表。トランプ米大統領が中国に賦課するいわゆる相互関税と同水準となる。
トランプ氏は中国の報復措置を強く非難し、自身の経済政策は「決して変わらない」と言明している。
中国は過度な人民元上昇を容認することに慎重な姿勢を取ってきた。1980年代のプラザ合意後の円高が、日本の「失われた10年」の一因になったとみている。
原題:Dalio Sees US, China Push for Yuan Deal as Part of Trade Relief(抜粋)
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