トランプ米大統領とイーロン・マスク氏に対して抗議するデモが全米で勃発し、「基本的人権を脅かす政権」から米国を守ろうと訴え、連邦政府縮小に向けた取り組みの中止を求めた。

マスク氏は「政府効率化省(DOGE)」を率いて連邦政府の人員削減を進めている。

5日には全米の50州で1200件以上の「Hands Off(手を出すな)」デモが計画されたと、AP通信が報じた。主催者には、市民権団体、労働組合、LGBTQ(性的少数者)擁護団体、退役軍人団体などが含まれていた。

首都ワシントンで行われた「Hands Off」抗議デモ(4月5日)

1月に2期目のトランプ政権が発足して以来最大規模の市民の抗議行動になる。「われわれの民主主義を守ろう」、「社会保障に手をつけるな」と書かれたプラカードを手にした数千人がボストンのダウンタウンに集結し、ニューヨークではデモ参加者が5番街を行進した。

ノースカロライナ州ビューフォートでの集会に参加した元コンサートピアニストのバーバラ・マッケンジーさん(71)は、女性の健康やウクライナおよび欧州の同盟国に対する米国の政策といった問題について懸念していると語った。

マッケンジーさんは、マスク氏のDOGEによる連邦政府職員の大量解雇により、退役軍人の医療や効果的なハリケーン追跡に不安を感じていると述べた。「人命に関わる問題だ」と語った。

ボストンでのデモに数千人が参加(4月5日)

ホワイトハウスは声明を出し「トランプ大統領の立場は明確だ。対象となる受給者に対しては、社会保障、メディケア、メディケイドを常に守り続ける」と説明。

「民主党の姿勢は、社会保障、メディケイド、メディケアの給付を不法移民にも与えるもので、これらの制度を破綻させ米国のシニア世代を追い詰めることになる」と主張した。

フロリダ州で週末を過ごしているトランプ氏のゴルフコースから数マイルの場所でも、数百人が抗議のデモを行った。

原題:Protesters Assail Trump, Musk in Rallies Around US (1)(抜粋)

--取材協力:Annmarie Hordern.

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