米ハリウッド富裕層の子息が通うロサンゼルスの名門私立校が、米プロバスケットボールNBAのスター選手一家にちなんで名付けられた新たなスポーツ施設の建設費を調達するため、5500万ドル(約83億円)規模の起債を行った。

26日にカリフォルニア・エンタープライズ・デベロプメント・オーソリティーを通じ、米地方債の一種である「レベニュー債」を発行。格付けはS&Pグローバル・レーティングから「A」が付与された。募集要項によると、幹事会社はスティーフル・ニコラウス。

資金は、スポーツのトーナメントや大会を開催できない状態となっている築35年の体育館の建て替え費用に充てられる。新たな施設「ホリデーセンター」は、卒業生でプロバスケットボール選手のアーロン、ジャスティン、ドリューのホリデー3兄弟らにちなんで名付けられた。同兄弟の母親であるトーヤさんは、1999年から同校に勤め、現在は多様性・公平性・包括性・正義部門のディレクターを務めている。

1944年開校のキャンベル・ホールは、エンターテインメント業界幹部や有名NBA選手、投資家などの子息が通っていることで知られる。幼稚園から高校3年まであり、小学部の授業料は年間4万6100ドル、高学年では5万4100ドル。今年度の生徒数は1162人で、入学希望者の約30%を受け入れた。

同校の理事会には、ユニバーサル・ピクチャーズのドナ・ラングレー会長などが名を連ねているほか、卒業生には映画監督のポール・トーマス・アンダーソン氏や俳優のジョン・デービッド・ワシントン氏などがいる。

ホリデーセンターには、900人収容可能な観客席のほか、屋内・屋外の座席エリアを備えた食堂や教室スペースが設けられる予定だ。

キャンベル・ホールのジュリアン・ブル校長は電子メールで配布した声明で、「これまでに慈善活動で集めた3300万ドルに加え、免税債市場で調達した資金により、来年にはホリデーセンターの建設に着工することが可能となり、競争の激しい南カリフォルニアのスポーツ界で引き続き成功を収めることができるだろう」と説明した。ホリデー家が慈善活動の主要な寄付者だった。

ブル氏によると、債券発行で得た資金の一部は、同校が米地銀ファースト・リパブリック・バンクから借り入れた1260万ドルの借り換えにも活用される。ファースト・リパブリックは学校への融資でリーダー的存在だったが、同行の破綻を受けて、私立各校は地方債市場での資金調達にかじを切った。これにより、昨年は同部門向けの債券発行が急増した。

原題:School for Hollywood, NBA Stars Sells $55 Million in Muni Bonds(抜粋)

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