トランプ米大統領は14日、連邦捜査局(FBI)本部を首都ワシントンからメリーランド州に移転する計画を撤回し、首都にとどめる意向を示した。FBI本部の場所を巡っては長年、論争が続いている。

司法省で演説したトランプ氏は、民主党支持者が多いメリーランド州を批判するとともに、FBIを移転すれば司法省から離れ過ぎて連携に支障が生じると指摘した。

「われわれはそれを阻止し、そうはさせない」とした上で、「別の大きなFBIビルを今の場所に建設するつもりだ。FBIと司法省は距離的に近くなければならない」と述べた。

FBI本部(首都ワシントン)

連邦政府の不動産を管理する一般調達局(GSA)は2023年、FBI本部をワシントン郊外のメリーランド州グリーンベルトに移転すると発表。長年にわたる同州とバージニア州の誘致合戦に終止符が打たれていた。

トランプ氏の発言には、機密文書の取り扱いや20年大統領選の結果を同氏が認めなかった問題を巡り司法省とFBIの捜査に対する批判がちりばめられ、両機関の改革を目指すトランプ政権の姿勢が浮き彫りとなった。

トランプ氏は、犯罪抑止に向け捜査官が街で目撃されるようFBI本部を首都にとどめる案を気に入っていると述べた。ただ、FBI職員が首都の街中をパトロールすることは通常ない。

原題:Trump Says He’ll Keep FBI in DC, Scrap Plan to Move to Maryland(抜粋)

--取材協力:Josh Wingrove.

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