カナダのカーニー新首相は、米防衛大手ロッキード・マーチンとの戦闘機「F35」の契約見直しを指示した。トランプ米大統領はカナダを米国の51番目の州にする可能性に言及し、関税発動に動いたが、両国関係に新たな火種が生じた。

カーニー首相は14日の就任宣誓式から数時間後にブレア国防相に対し、軍および国防省と協力し、「現在のF35契約がカナダにとって最善の投資かどうか、カナダのニーズにより合致する他の選択肢があるか」判断するよう求めた。同省報道官が電子メールで明らかにした。

カーニー首相(3月14日)

経年機入れ替えのためのF35の契約(88機)は2023年に最終合意が成立。ロッキードがスウェーデンのサーブと米ボーイングを抑えて190億カナダ・ドル(現在の為替レートで約1兆9700億円)相当の契約を獲得した。複数回に分割された契約で、カナダは最初の16機分の資金を確約した。

国防省報道官は、キャンセルされたわけではないが、「現行の契約がカナダの国民と軍にとって最善の利益になるか確認する」必要があると説明した。ブレア氏は14日、カナダ放送協会(CBC)とのテレビインタビューで初めてこの件に言及した。

カーニー氏は与党・自由党の党首選で、カナダは米国に頼らず、防衛費の振り向け先を変更すべきだと主張。2月の討論会で「防衛費はこれまで8割を米国で使ってきたが、そうではなくカナダで使うつもりだ」と述べていた。

原題:Carney Reviews Canada’s Order of F-35 Jets Amid Rift With US (1)(抜粋)

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