日本銀行の奥野聡雄企画局長は14日、名目金利から物価変動の影響を差し引いた実質金利のマイナスが「預金の実質価値を押し下げていることも十分に認識している」と語った。衆院経済産業委員会で答弁した。

奥野氏は、政策金利の引き上げによって金融緩和の度合いの調整を続けている中で、預金金利は上昇しており、「預金者の利子所得を押し上げる方向に作用はしている」との認識を示した。もっとも、物価上昇が続く下で、実質金利はマイナスになっていると説明した。

その上で、金融政策は物価安定の実現を目的として適切な金利水準を設定しているとした。2%の物価目標の持続的・安定的な実現の観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していくと語った。

日銀は1月の金融政策決定会合で政策金利を0.5%程度に引き上げたが、「実質金利は大幅なマイナスが続き、緩和的な金融環境は維持される」としている。日銀の経済・物価が見通しに沿って推移すれば、利上げを継続していく方針も示している。

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