(ブルームバーグ):全国銀行協会の福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)は13日の定例会見で、大手行で相次ぐ貸金庫からの行員による盗難事案に関して「大変申し訳なく思う。会員各行が管理体制強化に最優先で取り組むことが不可欠と強く認識している」と述べた。
全銀協では2月、管理体制強化に向けた取り組み事例集を作成し、会員行に通知した。福留会長は「このような事案が発生しないよう事例集を参考にしつつ、各行が高度化に努めることを期待する」と述べた。2019年4月以降で計3件の貸金庫盗難事案が金融庁に報告された以外の事案については認識していないとも語った。
三菱UFJ銀行は昨年11月、元行員が東京都内の複数の支店で貸金庫から顧客資産を盗んでいたと発表した。みずほ銀行も今年2月、元行員が貸金庫から顧客2人の現金を盗んでいたと発表。顧客の信用で成り立つ銀行業務の根幹を揺るがしかねない事態となっている。
福留会長はまた、貸金庫盗難以外にも今年度に銀行業界で不祥事が相次いだことを踏まえ、「金融機関にとって存在意義に関わる」と危機感を示した。福留会長に代わり、4月からは三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取が新会長に就任する。
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.