(ブルームバーグ):カナダのルブラン財務相は、米トランプ政権が北米の自由貿易協定の見直しを始めたいのであれば、カナダとしては早期協議を開始する準備ができていると語った。
ルブラン氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、カナダ政府は「分野ごとに週単位で」協議するよりも、貿易摩擦の多くの論点を整理するより広範な交渉に迅速に移行することを望んでいると述べた。2020年に発効した「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」は26年に見直しが予定されている。
「もし米政府が予定を早めて協議を行いたいと示唆した場合、われわれは準備ができている」と述べ、「われわれ3カ国には多くの共通の関心事がある」と述べた。

同相はさらに、中国による「北米市場へのダンピング」を阻止するため、さらなる措置を米政府と協議する用意があると述べた。カナダは昨年、米国の貿易政策に歩調を合わせる形で、中国製の電気自動車と鉄鋼、アルミニウムに関税を課した。メキシコのシェインバウム大統領は6日、中国からの輸入品に対する関税を見直す意向を表明した。
トランプ大統領は6日、カナダとメキシコからの輸入品の大半に対する25%の関税について、USMCAに準拠した製品は4月2日まで延期する大統領令に署名した。それでも緊張は続いており、カナダのトルドー首相は今週、トランプ大統領の最終的な目標はカナダに経済的苦境を強いて併合することだと思うと述べた。
トランプ氏は7日、「カナダは木材と乳製品の関税で何年もわれわれから搾取してきた」と主張。カナダ製の木材と乳製品に相互関税を課す考えを示した。
トルドー首相はまもなく退任する予定。与党・自由党は9日に新しい党首を選ぶ。
ルブラン氏は、木材と乳製品に関するトランプ氏のコメントについて、ラトニック米商務長官ら政権高官との「実質的な会話」は7日時点で行っていないと述べた上で、全体的に「ラトニック長官との会話は建設的であり、率直に言って友好的だった。ビジネスライクだ」と語った。
トランプ大統領は先月、国家安全保障上の理由から外国産の鉄鋼・アルミに25%の関税を賦課する大統領令に署名した。これは12日に発効する予定。これについてルブラン氏は、「まだそれほど悲観的ではない。私とラトニック長官との話し合いからすると、今後数日間で協議の余地がある」と述べた。
原題:Canada Ready for Talks on USMCA and China Dumping, Minister Says(抜粋)
--取材協力:Melissa Shin.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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