(ブルームバーグ):ベッセント米財務長官はトランプ政権が成長の基盤を政府から民間セクターにシフトさせる中、米経済には何らかの混乱が生じる可能性があると警告した。
ベッセント氏は7日、経済専門局CNBCとのインタビューで「われわれが受け継いだこの経済が、ややふらつき始める可能性はあるだろうか。それはもちろんある」と発言。「公的支出から脱却するのに伴い、自然な調整は起こる」と述べた。
最近発表された複数の米経済指標は成長の減速を示唆し、2月のISM製造業総合景況指数は停滞の領域に近づいたほか、2月の消費者信頼感指数は2021年8月以来の大幅な落ち込みを記録した。
バイデン前政権下での景気拡大は政府支出で人為的に支えられていたと、ベッセント氏は主張。インタビューは2月の雇用統計が発表される前に収録された。同統計では雇用の伸びが堅調に推移した一方、失業率はわずかに上昇。強弱まちまちの内容は政策の急速な変化に揺れる雇用市場の状況を映している。
ベッセント氏は「市場も経済も中毒になっていた。われわれは政府支出に病みつきになっていた」とし、「この先はデトックスの期間になる」と話した。
株式相場を下支えするためにトランプ大統領が政策を転換することはあるのかと問われると、ベッセント氏は株式アナリストらがいう「トランプ・プット」といったものは存在しないと言明。
「『プット』はない」とし、「上方向の『トランプ・コール』はあるだろう。良い政策を実施すれば、市場は上昇するものだ」と続けた。

関税政策
関税は長期的に維持されるのかとの質問に対しては、「いずれ分かる」と回答。
「トランプ大統領は毎日多くの情報を取り入れており、株式相場はその一部だ」とベッセント氏。「私は全てを見ている」と述べた。
同氏はトランプ氏の経済政策について「必要不可欠な軌道修正だ」とし、「痛みが生じるかどうかはこれから分かる。適正な政策をとれば、非常にスムーズな移行になると私は確信している」と付け加えた。
原題:Bessent Warns of ‘Detox Period’ for Economy, Touts Trump ‘Call’(抜粋)
--取材協力:Kasia Klimasinska.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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