トランプ米大統領は6日、カナダとメキシコからの輸入品の大半に対する25%の関税について、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に準拠した製品は4月2日まで延期する大統領令に署名した。米国にとって最大の貿易相手国に大きな時間的猶予を与えることになった。

関税の一時停止は不法移民と合成麻薬フェンタニル追跡に関連するもので、4月2日までとなる。この日には大統領が世界各国に対する相互関税や、特定分野を対象とした関税計画の発表を開始する見込みだ。

トランプ大統領は大統領執務室でメキシコとカナダについて「最近、彼らはかなり懸命に取り組んでいるが、あなた方はそれに気付いているか? 流入してくる人と麻薬に関してだ。われわれは両面で大きく前進した」と述べた。

トランプ米大統領

USMCA要件に合致する自動車・自動車部品は、関税賦課が免除される製品に含まれる。米農業生産者が肥料として大量に使用するカナダ産カリは、10%の低い関税率が適用される見込み。

ホワイトハウスは、カナダからの輸入品の62%はなお関税の対象で、その大半は10%の税率が適用されるエネルギー製品になると想定し、メキシコからの輸入品は5割が対象と推計している。ホワイトハウス当局者は、輸入業者が新規則への対応を急ぐ中で、この割合が変わる可能性があるとした。

トランプ大統領は自動車メーカーへの救済措置については短期にとどまると警告し、さらなる延長に来月署名することはないと明言した。

「私は彼らにこれが最後だ、短期のディールだと伝えた」と述べ、自動車業界幹部に対し再び救済を求めてこないようよう話したと語った。

4日にトランプ氏は1世紀ぶりとなる大規模な関税引き上げを発表していたが、48時間後に方針を撤回したことになる。背景には株価急落や、共和党が経済への影響を巡る懸念を示したことがある。

大統領は「私は市場を見てもない」と述べ、市場の反応を重視しない姿勢を示した。また外国が「米国から金を巻き上げている」と主張し、関税適用で米国はより強固な立場になると指摘した。

「短期的な混乱は常に生じるだろう。大きな混乱にはならないと思う」と語った。

トランプ大統領、カナダとメキシコからの輸入品の大半に対する25%の関税について、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に準拠した製品は4月2日まで延期する大統領令に署名した

原題:Trump Delays Canada, Mexico Tariffs for Goods Under USMCA、Trump Delays Canada, Mexico Tariffs for Goods Under USMCA (2)、US Pauses Tariffs on Canada, Mexico USMCA Trade Until April 2(抜粋)

(トランプ大統領の発言を追加して更新します)

--取材協力:Maya Averbuch、Skylar Woodhouse.

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