(ブルームバーグ):ウォール街の経営幹部や元当局者は、トランプ米大統領が主要貿易相手国に関税を課したことで、市場が不安定になることに対し身構えている。
カーライル・グループのハービー・シュワルツ最高経営責任者(CEO)は4日、ニューヨークで開催されたブルームバーグ・インベスト会議で「われわれは皆、シートベルトを締めるべきだ」と述べた。
カナダとメキシコからの輸入品のほとんどに25%の関税を課し、中国からの輸入品には20%の追加関税が課す措置が4日に発動した。
関税が経済全体の価格にどのような影響を与えるかという疑問の中で、市場は動揺。S&P500種種株価指数は4日に1.2%下げ、昨年11月5日のトランプ氏の選挙勝利以来の上げを失った。
ラザードのレイ・マクガイア社長はブルームバーグの会議で「少なくとも現代において、これほどの高関税は見たことがない」と述べた。
ルービン元米財務長官は、関税は最終的に経済に悪影響を及ぼすだろうと警告。 「関税障壁のある世界が新たな常態となるなら、われわれは皆、生産性と効率性が低下する」と述べ、関税は議会で承認された条約に違反し、成長と生産性を損なうと付け加えた。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、2018、19年の関税の最終ラウンドは短期的なインフレの押し上げにつながったが、当時はインフレが低過ぎる状態だったと指摘。高インフレが数年続いた今は「状況は異なっている」と述べた。
IBM副会長のゲーリー・コーン氏は、関税にはさまざまな目的があるが、資金を調達することが目的であるならば、それは富裕層ではない米国民を犠牲にして行われていると指摘した。関税は「本当に逆累進的な」資金調達方法だと述べた。
コーン氏は、トランプ政権1期目で国家経済会議(NEC)委員長を務めたが、鉄鋼とアルミニウムに高額の関税を課す計画について意見が合わず18年に辞任した。
疑問なのは、トランプ政権が一時的に関税を導入しているのか、それとも本格的な貿易戦争にエスカレートさせようとしているのかだとシュワルツ氏は述べた。 一時的な関税は「一時的な価格上昇を加速させるものではあっても持続的なインフレを引き起こすものではない」が、「貿易戦争は持続的なインフレを引き起こす」と指摘した。
政策の方向性を明確に示すとは限らない個々のデータに市場が過度に注目している可能性についても警告し、「関税に関する議論がどこに向かうのか、まだ分からない。時期尚早だ」と語った。
原題:Wall Street Executives Say Tariff Uncertainty Is Drag on Markets(抜粋)
--取材協力:Erin Fuchs、Jeremy Hill.
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